
今回は、以前にも何回かご紹介しているトルコン太郎でのATF(オートマチックトランスミッションフルード)の圧送交換を改めてご紹介します。
そもそもATFとは?定期交換が必要?

まず初めにATFとは、名前の通りオートマの中に入っているオイルのことです。エンジンオイルやデフオイル、ブレーキフルードなどと同じような感じと思っていただいて問題ありません。
機構の中を回ることによって動力の伝達・潤滑剤の役割を担っており、ATFに関していえばさらにシフトの制御・トランスミッションの冷却・トランスミッションの洗浄など、非常に重要な役割を果たしています。
エンジンオイルやブレーキフルードはみなさん当たり前のように定期交換してますよね。長期間交換しなかった時の故障のリスクや性能の悪化をご存知だからだと思います。
ATFも他のオイルと同様に定期交換が必須です!トランスミッションを壊してしまうリスクを回避するために無交換を推奨する業者もいますが、当店では定期交換をおすすめしております。
ATFの定期交換が必要な理由

トランスミッションが稼働すると鉄粉が出る上に、エンジンがかかっている間はずっとATFが循環しているのでオイルも劣化します。オイルの劣化や鉄粉を放置するとオイルラインが詰まり、冷却不足やオイル漏れ、最悪の場合トランスミッション本体の故障も…。
それらを防ぐためにはATFの定期交換が必要です。
トルコン太郎(ATF圧送交換)とは

トルコン太郎とは、車に対して負担の少ない圧送方式でのATF交換ができるマシンのこと。圧送とは「新しく入ってくるオイルが古いオイルを押し出して破棄する」というイメージです。
メリットとして、「入れながら抜くのでオイルが減っている状況になることがない」「オイル入れ替え時に異物混入の可能性が低い」「循環するための力を利用してオイル交換ができるので車への負担が格段に少ない」などがあります。
特に3つ目のメリットが一番大きいです。車への負担が格段に少ないということは、ATF交換によってトランスミッションが壊れてしまう確率も格段に低くなります。
トルコン太郎(ATF圧送交換)の仕組み

基本的にこの圧送交換は、ATFが流れる道にトルコン太郎を割り込ませる方法です。
ATFの用途を説明した際も言いましたが、役割のひとつに「冷却」があります。つまり、ATを冷却するためには循環するオイル自体も温度を下げなければなりません。そのためにオイルクーラーというものがついており、そこを通ってATに帰ってくる順路になっています。その順路の途中にトルコン太郎を割り込ませるということです。
AT→トルコン太郎→オイルクーラー→AT
簡単にいうと、「いつも通る道からちょっと寄り道(トルコン太郎)するとオイルが新しくなって帰ってくる」というわけです。車の動きとしては普段と何も変わらないので負担が少なくなります。
トルコン太郎(ATF圧送交換)の3つの道

トルコン太郎には3つの道があります。写真左から「新油用の道」「循環して車へ戻る道」「廃油用の道」
この全ての道にフィルターが設置されており、新油を入れる時も、廃油を捨てる時も、循環だけしている時も、どのタイミングでもフィルターを通り鉄粉を除去しています。これがATF圧送交換を強くオススメする理由です。
トルコン太郎(ATF圧送交換)の使用事例
以下の写真はトルコン太郎をつないで1回目の交換時の廃油の写真です。

元々の色は綺麗な赤色ですが、劣化と鉄粉によって凄まじい色になってしまっています。この汚れたオイルがオートマチックトランスミッションの中を常に循環してしまっているわけです。
トルコン太郎での入れ替えを何回か行うことでだんだんと赤みを取り戻していきます。

これでもまだ汚れていますが、この時点でもオイルは10Lほど入れ替わっています。輸入車のスポーティな車種でも10L変われば一旦全量は変わっていますが、それでもまだ完璧には綺麗になりません。

今回の車両はメルセデスベンツのGクラス(ゲレンデ)です。最終的に25L交換で新油とほぼ変わらないレベルまで綺麗になりました。(左が新油・右が現在車に流れているオイル)
トルコン太郎(ATF圧送交換)のメリット

このATF圧送交換をするメリットを4つ紹介します。この4つがメインの利点です。
燃費が良くなる
オイルの劣化によりATのレスポンスは悪くなっています。スムーズに加速しなくなるのでついアクセルを多く踏んでしまい、燃費が悪くなります。
ATFが新しくなればレスポンスが改善するので、結果的に燃費の向上につながります。
速くなる
ATのレスポンスが新車当時に戻るので、体感的に車が速くなったように感じます。
変速ショックがなくなる
オイルが劣化し粘度が落ちると、本来吸収できるはずの変速ショックがモロに車内に伝わってしまいます。圧送交換後は、いつ変速しているのかわからないほどスムーズな変速になります。
AT故障の可能性が低くなる
トランスミッション故障の原因の多くはATFを長期間変えていないことです。長く大切に乗るなら3〜5年ごとに交換しましょう。
トルコン太郎(ATF圧送交換)のデメリットは?リスクがある?

トルコン太郎(ATF圧送交換)の一番のデメリットは、循環式よりも多くのオイルを使用するためにオイル代が高くつくことです。しかし、循環式のように汚れたATFがオートマミッション内を再循環することがないので、故障のリスクを最小限に抑えられます。
また、稀にですがATF交換によってミッションの性能が回復することで、弱っているエンジンやその他の機構にトラブルが発生することがあるようです。潜在的な故障が判明するという面ではメリットですが、ATF交換が原因で起きたトラブルとして認識されています。
トルコン太郎(ATF圧送交換)の頻度は?

乗り方や走行頻度によっても変化しますが、おおよそ「3〜5年に1回」「20,000〜30,000kmに1回」が目安です。当店では、お客様それぞれの乗り方によって一番良いものをご提案させていただきます。
実際に、新車登録から5年経っている車や走行距離が60,000kmを超えた車は、ほぼATFが原因で本来のパフォーマンスを発揮できていません。徐々に劣化していく愛車のパフォーマンスにはなかなか気付けないので、上記を目安にしてください。
トルコン太郎(ATF圧送交換)の費用は?

やはりオーナー様としてネックなのは交換にかかる費用だと思います。使うオイルの量・種類や車種によって前後しますが、安くて8万円〜高いと15万円ほどかかってしまいます。
しかし、トランスミッション本体が故障すると50万〜100万ほどかかることも…。愛車を長く大切に乗り続けるためにも、一度リフレッシュの意味も込めてATF交換することを強くおすすめします。
最後に
エンジンオイルやブレーキフルードなどと同様にATFも定期交換が必要です。トランスミッションを壊してしまうリスクを回避するために無交換を推奨する業者もいますが、当店では定期交換をおすすめしております。外装・内装だけでなく、走りの面でも性能を維持するためにはATF圧送交換を検討してみてください。
少しでもお車の不調を感じたらGARAGENTにお任せください!費用や作業時間などのお問い合わせもお待ちしております。
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