車を運転していて困るトラブルのひとつが、予期せぬ「バッテリー上がり」ではないでしょうか。特に出先でバッテリーが上がり、エンジンがかからなくなる事態は避けたいものですよね。
実はバッテリーは突然上がるのではなく、トラブルをある程度予測できることをご存じでしょうか。この記事では急なバッテリー上がりを防ぐため、知っておきたい原因やポイント、上がってしまったときの対処法について解説します。またドライバーなら知っておきたい「やってはいけないこと」についてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
目次
知っておくべきバッテリー上がりのサイン
バッテリー上がりのよくある原因とは?
①バッテリーの寿命
②車を長期間動かしていない(自然放電)
③照明の長時間にわたるつけっぱなし
バッテリーが上がりやすい時期
夏(雨の日)
冬(気温が低い日)
バッテリー上がりを予防するためのポイント
①車を定期的に動かす
②バッテリーを定期的に点検する
③バッテリーの消耗に気付いたらすぐに交換する
④防止グッズを活用する
それでも、バッテリーが上がってしまった場合の4つの対処法
①ケーブルを他の車とつなげる(ジャンピングスタート)
②小型バッテリーを用いる(ジャンプスターター)
③修理業者もしくはロードサービスを呼ぶ
④バッテリーを交換する
【注意】バッテリーが上がってしまった時にやってはいけないこと
・長時間放置すること
・充電後すぐにエアコンやカーナビなどをフルで使うこと
まとめ
知っておくべきバッテリー上がりのサイン
車のバッテリー上がりには、予兆となるいくつかのサインがあります。主な予兆として次の4つが挙げられます。
最もわかりやすい1つめの予兆が、エンジンがかかりにくくなることです。2つめは走行時と停車時でライトの明るさが異なり、総合的にライトが暗く感じられること、3つめはパワーウィンドウの開閉が遅くなる現象が当てはまります。最後の予兆が、アイドリングストップしなくなることです。
これら4つのサインが出た場合は、バッテリーが上がるという最悪の事態が起きる前に自動車整備工場やディーラーなど専門家に点検を依頼しましょう。
当然ですが、これらの予兆にはすべて電気、電力が関係しています。ご存じのようにバッテリーは、電気を充電し、必要な場合に放電することのできる装置です。車を走らせている間は充電されますが、消費する電力が大きくなればバッテリーからも電力が使われます。車全体で電力を使いすぎると、電力消費が増加しバッテリーも上がってしまいます。
バッテリーが上がることに加え、経年劣化による寿命が原因で電圧も低下します。エンジンがかかりにくくなるなどの予兆、サインにつながっていくのです。
バッテリー上がりのよくある原因とは?
バッテリー上がりの原因は、次の3つが関係しています。上で紹介した予兆もこの3つが要因となって起こる場合がほとんどです。順を追って詳しくご紹介します。
①バッテリーの寿命
バッテリーは消耗品ですから、時期が来たら交換しなければなりません。電装品により負担が大きくなったり、温度変化が大きかったりするとバッテリーの劣化が早まります。
また走行距離など使用環境にもよりますが、おおよその耐用年数があり、経年劣化=寿命を迎えたと考えていいでしょう。寿命を迎えた古いバッテリーは役割を果たせなくなります。バッテリーが上がるなどのトラブルを引き起こす原因となります。
一般的なバッテリーの寿命は、一般車で2〜5年、アイドリングストップ車で2〜3年、ハイブリッド車では4〜5年が目安となります。先ほどお伝えした通り走行距離や電装品によって劣化が早まる可能性もあるので、定期的な点検が必要です。愛車のバッテリーがそろそろ寿命を迎える方は、自動車整備工場やディーラーで点検してもらうことをおすすめします。
②車を長期間動かしていない(自然放電)
車は動かすことで充電されるため、長期間走行しなければバッテリーが上がってしまいます。加えて車は走行しない間も電力を消費します。いわゆる自然放電と呼ばれるもので、放置しているとどんどん電力が消費されていきます。停車中もカーナビなどの記憶装置を含め、電装品にも電気が使用されていることもバッテリー上がりの要因となるでしょう。
③照明の長時間にわたるつけっぱなし
長い時間、照明をつけたままにしておくのもバッテリーが上がる原因です。車のライトやハザードの消し忘れ、半ドアなどにより車内灯などをつけっぱなしは、それほど大きな電力消費にはなりません。ただし、時間が長くなればなるほどバッテリー上がりを引き起こす可能性が出てきます。
バッテリーが上がりやすい時期
また夏場と冬場は、バッテリー上がりに気をつけるべきシーズンです。夏と冬はバッテリーに負荷がかかり、バッテリーのトラブルが増える時期と言われています。どんな条件が揃ったときにバッテリーが上がるのでしょうか。
夏(雨の日)
暑い夏は、車内でガンガンエアコンを使用する方も多いのではないでしょうか。夏はエアコンを始め、オーディオやカーナビ、スマートフォンの充電など電装品を多くの電装品を使います。電力消費が増え、バッテリーに負荷がかかります。さらに雨の日の夜間はヘッドライトやワイパーも使うこととなり、バッテリーから使用する電力量が増加します。バッテリーの負担も高まり、バッテリーが上がりやすくなってしまうのです。
冬(気温が低い日)
バッテリーが働くのは、内部のバッテリー液(希硫酸)の化学反応によるものです。気温が低くなると反応が鈍くなるため、バッテリーの性能も落ちてしまいます。充電効率が低下する中、エアコンなど電装品の使用量も増え、バッテリーが上がりやすくなります。
また冬は、エンジンオイルも冷えている状態でエンジンを始動しなければならず、通常よりも多くの電力を必要とします。バッテリーへの負担が大きくなるため、バッテリーが上がる原因となります。
バッテリー上がりを予防するためのポイント
突然のバッテリー上がりで困らないためには、日常的な予防に気をつけておくことが大切です。バッテリー上がりを予防するための4つのポイントについて詳しくお伝えします。
①車を定期的に動かす
バッテリー上がりを予防する1つめのポイントは、定期的に車を動かすことです。バッテリーが上がる原因の項目で説明したように、車は走行しなくても自然に放電します。そのため長期間動かさなければ、バッテリーの充電が減りバッテリーが上がるトラブルにつながるのです。
おおよそ2〜3カ月、車を動かさず放置すると、バッテリーが上がってしまいます。バッテリー上がり予防のため、最低でも月に1回程度の運転を推奨します。
②バッテリーを定期的に点検する
バッテリー上がり予防のための2つめのポイントは、バッテリーの定期的な点検です。特にバッテリー液の残量と電圧は定期的にチェックしましょう。
バッテリー液が不足すると、バッテリーの畜電量が減ってしまいます。蓄電量が減ることで、結果的にバッテリー上がりが起こりやすくなります。バッテリー液の残量が、メモリの下限と上限の間におさまっているかどうかをきちんと確認します。
③バッテリーの消耗に気付いたらすぐに交換する
バッテリーの消耗に気付いたらすぐに交換することが、バッテリー上がりを予防する3つめのポイントです。バッテリーの寿命は、一般車で2〜5年、アイドリングストップ車で、2〜3年、ハイブリッド車では4〜5年がおおよその目安となっています。
愛車のバッテリーが交換の時期を迎える方は、ぜひ一度自動車整備工場やディーラーなどプロに点検してもらいましょう。点検の後、バッテリー交換をしておけば不意なバッテリー上がりの予防対策になります。
④防止グッズを活用する
バッテリー上がりを予防するための4つめのポイントは、防止グッズの活用です。防止グッズとは、バッテリーを充電するための装置などのことで、例えばソーラーパネルを使って蓄電するバッテリー専用の充電器グッズなどもあります。
バッテリーが低下すると自動的に電装品などの電源を切り、バッテリー上がりを防ぐ製品などさまざまな防止グッズが販売されています。使っているバッテリーに適した電流の製品を試してみるのも効果的でしょう。
それでも、バッテリーが上がってしまった場合の4つの対処法
ただ、どんなに対策をしていてもバッテリーが上がってしまうケースも少なくありません。次の項目では、バッテリー上がりが起こってしまった場合に役立つ4つの対処法について説明します。
①ケーブルを他の車とつなげる(ジャンピングスタート)
近くに他の車がいる場合は、ジャンピングスタートを行います。ブースターケーブルを他の車とつなげ、電気を分けてもらうことでエンジンをかける方法です。駐車場など助けてくれる他車がいる場合は最適な方法と言えます。ただ、あくまで一時的な応急処置に過ぎません。ジャンピングスタートでエンジンが回復してもそのままにせず、すぐに点検に出すようおすすめします。
②小型バッテリーを用いる(ジャンプスターター)
2つめの対処法として、ジャンプスターターを用いる方法が考えられます。ジャンプスターターとはエンジン始動に対応した小型バッテリーのことです。ジャンプスターターで充電できれば、救援車は必要なく、バッテリー上がりにも自力で対応できます。ジャンピングスターターは安価なもので数千円〜、高い製品は1万円程度での購入が可能です。緊急事態に対応できるよう、車に搭載しておいてもいいでしょう。しかし小型バッテリーの対応も一時的な処置です。エンジンがかかった後は、すぐに点検に出してチェックしてもらう必要があります。
③修理業者もしくはロードサービスを呼ぶ
他車がいない場所でのバッテリー上がりや、バッテリーを回復させるための装備を持参していない場合は自力でのエンジン始動が難しくなります。この場合は、ロードサービスを呼んで助けてもらう方法がベストです。JAFや自身が加入している保険会社のロードサービスに電話もしくはメールし、停車している場所を伝えて待ちましょう。料金やサービス内容が異なるものの、連絡後30分から1時間ほどで現地に駆けつけてきてくれます。
④バッテリーを交換する
今までお伝えした対処法は、あくまで応急処置です。根本的な解決を図るためにはバッテリーを交換することが最優先の方法と言えます。消耗品であるバッテリーの劣化や寿命は避けられません。充電などの方法で一時的にバッテリーが復活しても、いずれは交換が必要になるからです。
バッテリー交換はベテランドライバーなら自力で行えますが、初心者には難しいでしょう。自信のない方は自動車整備工場に依頼し、お任せしたほうが安心です。
【注意】バッテリーが上がってしまった時にやってはいけないこと
バッテリー上がりのトラブルは、突然起こる場合がほとんどです。焦りのあまり、間違った対処法を行ってしまうと、さらなるトラブルにつながりかねません。ここでは、バッテリー上がりにあたってやってはいけないことを2つ解説します。
・長時間放置すること
バッテリーが上がった後、様子を見るために長時間放置するのは避けましょう。時間をおくことでバッテリーがダメージを受け、劣化が進んでしまいます。劣化したバッテリーは以前よりも充電量が減少してしまい、充電しても元の同じ状態に回復は難しいからです。劣化したものをそのまま使い続ければ、バッテリー上がりを引き起こしやすくなってしまいます。バッテリーが上がったら、迅速な対応が必要になると覚えておきましょう。
・充電後すぐにエアコンやカーナビなどをフルで使うこと
バッテリー上がりに対処した後、すぐにエアコンやカーナビなどの電装器をフルで使うのもやってはいけない行動です。
例えばエアコンは、コンプレッサーという部品で空気を送風します。そのコンプレッサーはエンジンの回転によって動作するものですから当然電気を消費します。エンジンの回転によるパワーをコンプレッサーにも使ってしまうと、充電の妨げになってしまう理由がおわかりいただけるでしょう。結果的に、回復しつつあるバッテリーの充電を妨げてしまい、十分に充電できなくなる可能性が出てきます。充電中は他の装置の使用をできるだけ控えることをおすすめします。
まとめ
バッテリー上がりは突発的なトラブルに考えられがちです。しかし実は、バッテリー上がりを予兆するサインが出ている場合も多くあります。バッテリー上がりのサインを見つけた方、寿命や交換時期が近づいて心配という方は、一度点検してみてはいかがでしょうか。
東京都の町田市にあるトータルサービスのカーショップ【ガレージェント】では、バッテリー上がりのトラブルにも迅速な対応を心がけています。車に関することならどんなことでもお気軽にご相談ください。
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