ポルシェの警告灯一覧と意味を緊急度に合わせて解説。 エンジン回りの警告は整備士に依頼しよう。

ポルシェのメーターパネルに表示される警告灯(表示灯)。車の異常や故障や操作の手違いなどでも表示されます。ふいに表示されて「車にトラブルが!?」と不安になった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。あらかじめ警告灯による注意や警告内容を理解していれば、早めの対応も可能になります

そこでこの記事ではポルシェの警告灯・表示灯の種類について解説します。故障やトラブルの不安解消、メンテナンスにお役立てください。

 

ポルシェの警告灯一覧(表)

ここでは、目にする機会が多いもの、緊急度の高いマークを中心にポルシェの警告灯をピックアップしてまとめました。なお車の警告灯はメーカーや車種によって異なります。より詳しい内容や自車の取扱い説明書もあわせてご確認ください

表示マーク 警告灯名・意味 ディーラーへの修理が必要 緊急度
【緊急度が高い】走行不可や直ちに停止や修理が必要
ブレーキ警告灯ブレーキ液面が低過ぎます。
ブレーキパッドが摩耗しています。ブレーキの効きが悪くなります。
パーキング ブレーキに故障があります。
1 つまたは複数のタイヤに著しい空気圧の低下があります。適切な場所に停車してください。
1 つまたは複数のタイヤの空気圧が不足しています。
タイヤ空気圧モニタリング システム(TPM) が故障しています。タイヤ空気圧は監視されません。
オイル レベルが最低値を下回りました。直ちに適切な場所に停車してエンジンをOFF にしてください。
オイル レベルが最大値を超過しています。
エンジン油圧が低過ぎます。
オイル圧力測定に故障があります。継続走行可能です。
エンジン油温が高過ぎます。※エンジン油温計が故障の表示がある場合はディーラーへ
クーラント レベルが低過ぎます。直ちに適切な場所に停車してください。エンジンをOFF にして冷やしてください。
クーラントレベルを点検し、必要に応じてクーラントを補充する。
エラーが継続する場合:ポルシェ正規販売店で故障を修理してください。
クーラント温度またはエンジン油温が高過ぎます。直ちに適切な場所に停車してください。
エンジンをOFF にして冷やしてください。
エラーが継続する場合:ポルシェ正規販売店で故障を修理してください。
冷却水温度計が故障しています。継続走行可
冷却システムが故障しています。
エンジン コンパートメント ブロワーが故障しています。
エンジン出力が低下やエンジン制御システムが故障しています。
エンジン制御システムが故障しています。
オルタネーターが故障しています。
適切な場所に停車してエンジンをOFF にしてください。
運転を続けないでください。
バッテリー機能が制限されます。継続走行可能です。
PDK 装備車: トランスミッションが故障しています。
次に停車するまでは走行が可能です。運転を続けないでください。
直ちに適切な場所に停車してください。ポルシェ正規販売店まで車両をけん引してください。
ポルシェ スタビリティ マネージメント(PSM) システムが故障しています。適切な場所に停車してください。運転を続けないでください。
サスペンション システムが故障しています。直ちに適切な場所に停車してください。
運転を続けないでください。
燃料タンクが空です。最寄りの給油所で給油してください ×
【緊急度は低め】早めの修理が必要
エアバッグ警告灯が故障しています。継続走行可能です。
ステアリングロックが作動していません。 ×
ABS またはポルシェ スタビリティ マネージメント (PSM) に故障があります。継続走行可能です。
コーナリング ライト、ドライビング ライト制御が故障しています。
e ポルシェ正規販売店で故障を修理してください。*
ヘッドライト制御が故障しています。
e 状況に応じた適切な運転を心がけてください。
e ポルシェ正規販売店で故障を修理してください。*
【緊急度は低め】自分で対応が可能
シート ベルトが着用されていません。 ×
燃料タンクの残量が低下しています。最寄りの給油所で給油してください。 ×
該当する車両のドアまたはカバーを閉じてください。 ×
洗浄水が空です。 ×
ポルシェ エントリー & ドライブが故障しています。
 

【緊急度が高い】走行不可や直ちに停止が必要

車の警告灯は、国際規格(ISO)に従い、赤色、黄色、緑色の3カラーに区分されています。中でも最も緊急度の高いカラーが「赤色」のランプで「重大な故障、トラブル」があることを意味します。さらにビックリマーク(エクスクラメーションマーク)がついているとさらに緊急度が高くなります。この警告灯が点灯しているのは危険な状態ですから、安全な場所に停車するなど走行を停止し、点検や修理などを行う必要があります。まずは緊急度の高い警告灯からみていきましょう。

 

ブレーキ警告灯

ブレーキ警告灯が赤く点灯したとき、最初に確認するのがパーキングブレーキです。特に停車時から車を動かそうとする際は、「パーキングブレーキの解除忘れ」をしているケースがほとんどです。
一方、パーキングブレーキを解除してもブレーキ警告灯は赤く光る場合は、ブレーキ系統に異常やトラブルが発生しているおそれがあります。例えば何らかの原因でブレーキフルードが不足している、センサーやABSなどブレーキシステム周辺に問題が起こっている可能性が考えられます。ブレーキに異常を抱えたまま走行を続けるのは大変危険ですので、すぐに停車して点検することをおすすめします。

 

タイヤ空気圧警告灯

タイヤ空気圧警告灯は、タイヤの空気圧が基準値よりも低くなった場合に点灯します。正常な空気圧のタイヤであっても、時間の経過とともに自然に空気が抜けることは珍しくありません。また走行中のトラブルなどでタイヤがパンクしてしまっているかもしれません。

タイヤ空気圧警告灯が点灯したら、安全な場所に停車し、タイヤの状況を確認しましょう。なお空気圧には問題がなくても、空気圧を検知するセンサーの故障、電池切れなどでも点灯することもあります。

 

油圧警告灯

エンジンオイルにトラブルが生じると、点灯するのが油圧警告灯です。油圧警告灯が表示される理由としては、オイルの量が大幅に減少している、オイルフィルターに目詰まりがあるなどが考えられます。またオイルポンプそのものの異常による油圧の低下などでも点灯することがあります。車の動力源であるエンジンの潤滑油として大きな役割を担うオイルの不備は、車の性能に大きく影響します。そのまま走行を続けるとエンジンの焼き付きなどのリスクにもつながります。ディーラーや整備工場に点検や修理を依頼しましょう。

 

クーラント警告灯、冷却水警告灯

クーラント警告灯、冷却水警告灯は波線と温度計が合わさったマークで示されます。この警告灯は、車のエンジンの温度を下げるクーラント液(冷却水)の温度を表しています。クーラント警告灯、冷却水警告灯は青色や緑色での点灯は、液体が冷えていることを示しているため、走行は可能です。冷却水が温まれば見えなくなります。 一方、赤色点滅の場合はエンジンの熱量が高くなり、冷却性能よりも大きくなっている状態「オーバーヒート」が起こっている可能性があります。オーバーヒートは車に負担が大きく、事故や故障にもつながりかねません。早急にプロに点検してもらう必要がある状態です。

 

エンジン警告灯

エンジン警告灯は、エンジン制御系に異常を検知した時に点灯します。エンジン始動時に点滅し、すぐに消えることもありますが、この場合は心配する必要はないでしょう。エンジンを付け、走行しても警告灯が消えない時はトラブルが生じていると考えられます。

また一度警告灯が消えたのに再度点滅した際も、何らかのトラブルが生じている可能性があります。エンジンに負担をかけないためにも、無理な走行を控えることが大切です。警告灯のカラーはオレンジ(黄)色ですが、エンジンまわりの異常であり、緊急度も高いトラブルです。早めの対処が求められます。

 

バッテリー警告灯

車の内部、電気系統に異常がある際に点灯するのがバッテリー警告灯です。発電機であるオルタネーターやその動力をオルタネーターへ伝えるVベルトに問題が発生していることを示します。また、バッテリー自体が経年劣化している時に点灯するケースも少なくありません。バッテリー警告灯が点灯してすぐに走行できなくなるわけではありませんが、次第にバッテリーへの充電がなくなっていくことが予想されます。

また長い間エンジンをかけない、短距離移動のみだとバッテリーの劣化が早まります。定期的にバッテリーを点検し、日頃から負荷をかけないような心がけも重要です。

 

トランスミッション警告灯

トランスミッション警告灯の点滅は、速度や負荷などに対応して必要な力を伝え、車の効率をアップさせる変速機=トランスミッションに異常が発生していることを示します。ギアチェンジがしづらくなり、自然にニュートラルに戻ってしまうケースもあります

ポルシェ独自のPDK(ポルシェ・ドッペルクップルング)を装備している車種でトランスミッション警告灯が赤色を示すのは「故障」「トランスミッションの高温」です。安全な場所に停車し、今後修理を依頼する必要があります。緑色の場合は、走行は可能なもののエンジン出力が制御されます。

 

PSMシステム警告灯

車のスピンや外への膨らみを制御する「横滑り防止システム」。ポルシェではPSM(ポルシェ・スタビリティ・マネージメントシステム)と呼ばれます。このPSMシステムに問題がある時につくのがPSMシステム警告灯です。故障して運転を続けるのが難しい状態で赤色に点灯します。

緑色であれば、トラブルはあるものの走行は可能な状態、もしくは診断状態を示します。PSMシステムは車の安定性を向上させ、運転をサポートするシステムです。赤色の点灯時は走行を控え、点検を依頼しましょう

 

サスペンション システム警告灯

タイヤとボディの間にあるサスペンションは、車への衝撃を吸収する役割を果たします。安定した走行に欠かせないサスペンションにトラブルが生じた場合には、サスペンションシステム警告灯が表示されます。この場合、ダンパーやバネ(スプリング)、エアサスペンションに不具合が生じていると考えられます。車の操縦性はもちろんのこと、トータルでは安全性に関連する部分ですから、すみやかに点検をお願いするのが得策です。

 

【緊急度は低め】継続走行は可能だが早めの修理が必要

次に、問題は生じているものの、継続走行は可能なトラブルを示す警告灯をご紹介します。緊急度は高くないものの、放置しておけばいずれ大きな異常へとつながってしまいます。早めの点検、修理を忘れずに行いましょう。

 

エアバッグ警告灯

エアバッグ警告灯が点灯するのは、センサーや電気系統の異常などが関連しています。また事故など衝突時にシートベルトの効果を高める装置・プリテンショナーに不具合が生じているケースやバッテリー容量の不足なども警告灯がつく要因となり得ます。エアバッグ関連の異常は、そのままにしていても、日常的には問題はないかもしれません。

しかし万が一事故が起きたとき、エアバッグが作動しなかったときのダメージは大きく、命に関わるリスクにもつながります。早めにディーラーや信頼できるカーショップなどに相談することをおすすめします。

 

ステアリングロック警告灯

盗難防止などの理由から装備されているステアリングロックは、車両のロックシステムと連動しています。電気信号などでロック、アンロックを制御しているため、不具合があるとエンジンもかからなくなってしまいます。ステアリングロックを作動させているシステムのトラブルで警告灯が点灯してしまいます。ハンドル操作に関連するステアリングコラムを交換するなどの対処が必要になります。

 

ABS警告灯

ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)は、急ブレーキ時にタイヤがロックされないようにするシステムです。ブレーキを踏んだ際にタイヤがロックされないことで、車両の安定性を維持できます。ABS警告灯が点灯するのは、ブレーキを強く踏んだ時に、システムが反応するケースが考えられます。正常な作動であれば、ABS警告灯は消滅します。

しかし点灯し続けるのなら、やはり何らかの異常が生じているものと考えられます。そのまま走行し続けることはできますが、必要な時にABSが作動せず、大きなトラブルにつながる可能性もあります。こちらも早めの点検がベストです

 

コーナリング ライト、ドライビング ライト警告灯

ヘッドライトの一部であるコーナリングライト、ウィンカーに連動して進行方向の側面を照らすドライビングライトに不具合があった場合に点灯する警告灯です。汚れや破損などのトラブルがある場合は、夜間や悪天候における視認性にも影響します。何らかの接触不良や電気系統のトラブルの可能性もあるため、気づいた時点でチェックするよう努めましょう。

 

ヘッドライト警告灯

コーナリングライトなどと同じく、ヘッドライトの不具合で点灯するのがヘッドライト警告灯です。バルブソケット(電球部分)の球切れやヘッドライトを制御するヘッドライトコンピューターの経年劣化などが大きな要因です。ライトが上手く付かないことは、安全性に関わりますので早めの対処をおすすめします。

 

【緊急度は低め】自分で対応が可能

ここからはご自身で対応可能な警告内容、緊急度がそれほど高くない警告灯についてご紹介します。すぐに車の走行を停止するほどではないとはいえ、注意を促すための警告灯になります。対応後も引き続きランプが消えない場合は、ディーラーなどプロへの相談をおすすめします。

 

シートベルト警告灯

シートベルト警告灯は、シートベルトが装着されていない時に点灯します。シートベルトの金具がきちんとはまっていないなど、正常に取り付けられていないケースでも点灯しますので、しっかり装着しましょう。また乗車の有無はセンサーで判断します。人が乗っていない座席でも、重い荷物を置いているとシートベルト警告灯がついてしまう場合もあるため注意が必要です。

荷物を下ろしてもシートベルト警告灯がそのままなら、センサーや金具の異常も考えられるため、一度点検したほうがいいでしょう

 

給油警告灯

給油警告灯はガソリンの残量が少なくなった時に点灯します。車種によって異なるものの、燃料が5〜10Lになったタイミングで給油警告灯がつくように設定されています。燃料が残っていても、道路や走行時の状況で燃料を早く消費してしまうこともあります。給油警告灯が点滅した時点で、スタンドで給油するのがベストです。

特に遠出をする場合や高速道路を利用する際は、事前に給油警告灯を確認しておき、給油しておくよう心がけましょう。

 

半ドア警告灯

ドアが完全に閉まっていない場合に点滅するのが半ドア警告灯です。半ドア状態のまま運転すると、走行中にドアが開くリスクもあります。半ドア警告灯がついた場合はすぐに走行せず、運転席・助手席・後部座席、バックドア(リアハッチ)がきちんと閉まっているかを確認しましょう。

完全に閉めたつもりでも、衣類などが挟まっていると半ドアと認識されることもあるので要チェックです。すべてのドアを確認しても半ドア警告灯が消えないなら、電気系統・ドアスイッチの異常も考えられます。

 

ウォッシャー液警告灯

ウォッシャー液警告灯は、その名の通りタンク内のウォッシャー液が少なくなると点灯します。ウォッシャー液が不足したからすぐにトラブルにつながるわけではありません。ただフロントガラスの汚れを落とせなくなる他、そのままワイパーを動かしてしまうと、ガラスを傷つける原因にもなりかねません。早めの補充をおすすめします。

 

ポルシェ エントリー&ドライブ警告灯

ポルシェエントリー&ドライブシステムは、キーを使わずにドアの施錠、エンジン始動ができる便利な機能です。ポルシェエントリー&ドライブのシステムに故障が生じた場合に警告灯が点灯します。故障以外に次のようなトラブルを示す警告の意味で点灯します。

  • キーが見つからない(正しい位置にない)
  • ラゲッジコンパートメントにある
  • キーが複数ある
  • キー自体の電池消耗

ポルシェ独自の機能のため、点灯が消えない場合は専門知識に対応できるカーショップに対応をお願いしましょう。

 

緊急度が高い警告灯はすぐディーラーへ相談!

車の不具合を示す警告灯の中でも、赤ランプの点灯が見過ごせません。放置することで大きなトラブル、事故につながる緊急度の高い不具合が生じていると考えられるためです。ただ一般的なユーザーの場合、どのトラブルが深刻なのかに気づきにくいもの。だからこそ赤いランプの警告灯は「重大な警告」ととらえ、気づいた時点でディーラーへ相談することを強くおすすめします

 

緊急度が低い警告灯も点灯し続ける場合は修理へ出そう。

では、赤色の警告灯でなければそのままにしていいのでしょうか?確かにオレンジ(黄)色や緑色の警告灯の場合は、走行自体は可能なケースがほとんどです。それは現時点での状況であり、何らかの不具合、トラブルが生じていることに間違いありません。放置したままでも改善されるばかりか、より深刻さを増すことも考えられます。早い段階で点検・修理に出すことが安心・安全にもつながります

 

ポルシェの警告灯でお困りの方はガレージェントへ!

警告灯は、車の状態や緊急度を示す重要なサインです。赤い警告灯の中には緊急度が高く、リスクにつながるトラブルが多く含まれます。修理、点検など迅速な対応が必要になります。緊急性こそ低いものの黄色(オレンジ色)や緑色の警告灯でも注意が必要な場合も少なくありません。日頃から車のメンテナンスを意識し、信頼できる専門家に相談できる体制を整えておくことが大切になります
特にポルシェをはじめ、輸入車はオリジナルの仕様も多く、専門知識が欠かせません。ガレージェントディーラー出身の整備士も在籍していますので、ポルシェを含む輸入車のメンテナンス実績も豊富です。BMWは合格率4%の最高資格「Meister」を所有するスタッフもいます。ディーラーの技術を持ちながら、リーズナブルなサービスを提供できるのも強みです。
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