よく聞くスピードセンサーはどういう仕組みで動いている?気を付けるべきポイントはどこ?

車速センサーとも呼ばれるスピードセンサー。
現代自動車の要とも呼ばれるECUへ適切なデータを届けるなど安全走行の基本になる大事な働きをしています。
ただあくまで内部のパーツでもあるのであまり気に欠けたことの無い方も多いかもしれません。
今回はその仕組みや働き、またタイヤ交換における影響などについて簡単に紹介させていただきます!

縁の下の力持ちとして安全走行を支えるパーツ

ちょっと聞き慣れない「車速センサー(スピードセンサー)」。
普段私たちの目に触れることがないパーツですが、実は車を安全に、快適に走らせるためには必要不可欠な存在です。

現在の自動車の多くはエンジンコントロールユニット(ECU)がエンジンやパワーステアリングを制御しています
車速センサーはアウトプットシャフトの回転速度を検出して、それをECUに伝えます。
その信号をもとに、エンジンやパワステを制御するという仕組みになっているのです。
また、スピードメーターに車の時速が表示されるのも車速センサーがあるからこそなのです。

今回は、縁の下の力持ち、車速センサーの仕組みや働きにクローズアップしてみましょう。

車速センサーの役割について改めておさらい

前述のとおり、車速センサーの信号によって、ECUがエンジンやパワーステアリングを制御されます。
近年では特にその重要性が増してきています。

今の自動車の主流はモーターを使った電動パワーステアリング。
車速センサーで計測した速度に応じて、パワステの重さなどが自動で変化するようになっています。

近年ではアクセルを踏まなくても一定速度で走ってくれる、あるいは前の車に追従する「クルーズコントロール」も普及してきましたが、これも車速センサーの信号を使ってエンジンの回転数を制御する仕組みです。

他にも、オートマチック車であればECUが車速センサーからの信号をもとに判断してシフトチェンジを行っています。

私たちが目にするスピードメーター。
これも車速センサーが正常に働いているからこそ、正確な速度を知ることができるのです。

このように非常に幅広い部品に関わっている車速センサーなくしては安全に車を走らせることができません。

実際の計測の仕組み

では、スピードセンサーの計測の仕組みは、いったいどのようになっているのでしょうか?

スピードセンサーというと「速度を測る装置」というイメージがあるかもしれませんが、実際は速度そのものを測っているのではなく、タイヤの回転数とタイヤの大きさから、速さの数値を算出しています。

タイヤの外周は車種によって決まっているので、あとは回転数がわかれば、速度を把握できるということになります。その回転数を測っているのが、スピードセンサーです。

スピードセンサーは、車のエンジンのクランク軸や、トランスミッションなどに取り付けられています。
下の図では、トランスミッションにスピードセンサーが取り付けられています。

ここでタイヤが回転すると内部でシャフトも回転し、それに合わせてスピードセンサーも回転します。
これによってセンサー内部にある磁石が、「パルス波と」呼ばれる信号を発生させます。

このパルス波の信号が一定時間に何回出たかを測り、タイヤの外周から速度を計算した数値が、スピードメーターに表示されるという仕組みになっています。

スピードメーターの種類

スピードメーターの作動方式には、「機械式」「電気式」「電子式」の3種類があります。

「機械式」は、旧車に多く見られる方式で、現在はほとんどの車が採用していない古いやり方です。
トランスミッションからギアを経由して回転する「フレキシブルシャフト」の回転数を計測します。

それに対して「電気式」は、現在主流となっている方式です。
トランスミッションに付いているスピードセンサーや車輪の回転センサーから、車載コンピュータに信号が送られることで、メーターの針が動く仕組みになっています。

同じように車輪の回転センサーから車載コンピュータに信号が送られる方式の中にも、電気的に演算してデジタルで表示する「電子式」という方式があります。

電子式は、1980年代にデジタル表示のスピードメーターが採用された頃は、「新時代の指示方式」と注目されましたが、現在ではほとんど使われていません
やはり視認性の観点から、デジタル表示よりもアナログ表示の方が優れているという理由からです。

そのため、最近の車は液晶メーターが増えてきているため、スピードメーターもディスプレイ表示になっているものの、アナログメーターをビジュアル化した映像で表示する車が多くなっています。

スピードセンサーは正確じゃなくて良い!?

これまでご説明したように、スピードセンサーは実測値ではないので、どうしても正確な数値にはなりません。
そのため、スピードメーターと実際の速度との間には、若干の誤差が生まれます

そこで気になるのが、「速度に誤差があっても、問題ないのだろうか?」ということです。
しかし、その点については安心して大丈夫です。

なぜかというと、最初から誤差が生じることを考慮して、スピードメーターの表示は実際の速度よりも早い速度を示すことが推奨されているからです。

スピードメーターの速度が実際よりも遅い速度を示すと、スピードが出過ぎて大変なことになるので、よく考えれば当たり前のことかもしれません。

もちろん、スピードメーターの数値と実際のスピードとの間に、明らかに大きな差があれば問題ですが、基準の範囲内であれば大丈夫と考えていいでしょう。

たとえば時速60kmぐらいまでであれば、表示速度と実際の速度はほぼ変わりません。
それ以上のスピードになると、少しずつズレが大きくなりますが、それでも時速100km超で時速10km以内に収まる程度です。

乗り手が注意するべきポイントとは

車を安全に走らせるために欠かせない車速センサー。
仮にこれが壊れてしまうとどのようなことが起きるのでしょうか?
また、カスタムなどをする上で気をつけるべきことはあるのでしょうか?

車速センサーに関する注意点をお伝えします。
安全なドライブを楽しむためにも、ぜひ参考にしてみてください。

タイヤの大きさが変わると速度の計測値は変化する

スピードメーターを使用する上で気を付けたいことのひとつに、タイヤの大きさが変わると、スピードメーターの数値に影響するということがあります。

タイヤが大きくなれば、少し遅めに計測されてしまいますし、逆にタイヤを小さくすると速めに計測されます。
また、タイヤは摩耗によって少しずつ小さくなるので、それによっても数値は変化します。

たとえば、幅の異なるタイヤに入れ替えたり、ホイールをインチアップしたりすると、数値は必ず変化するので注意しましょう。

このようなことを避けるためには、タイヤの幅や外周を変える際も、できるだけ最小限の変化に留めておくことが大切です。
誤差が大きくなり過ぎると、スピードメーターが設置されている意味がなくなってしまうので、安全面を考えた賢明な選択が求められます。

もしも走行中に壊れてしまうと重大な事故に繋がる可能性も

車速センサーで注意しなければいけないのは走行中の故障。仮に正常に作動しなくなると、スピードメーターが作動しなくなる、電動パワステが動かなくなる、不自然なタイミングでシフトが変わる・シフトチェンジされないといった症状が見られ、非常に危険です。

もし、走行中に急にハンドリングが異常に重くなったり、スピードメーターの作動がおかしくなったり、警告ランプが点灯したりといった症状が見られた場合は、すぐに路肩に停車してロードサービスを呼びましょう。
そして、整備工場でしっかりと原因を調査してもらった上で、修理を依頼してください。

冒頭でも述べたとおり、車速センサーは自動車のさまざまな部分に関わっているパーツです。それほど頻繁に壊れるものではありませんので、過剰に神経質になる必要はありませんが、一度故障すると正常な運転ができなくなる可能性が極めて高いです。
そういったケースもあるということは認識しておきましょう。

また、スピードセンサーの情報は単にスピードを表示するだけではなくて、ECUと呼ばれるエンジンを制御する箇所に信号を送っています。

電動パワステアリングの場合は、このECUから送られた振動をもとにモーターを稼働させているので、信号が届かなくなると運転そのものに支障をきたしてしまうのです。

具体的にどうなるかというと、スピードセンサーが故障すると、同時にオドメーターやトリップメーターも作動しなくなります。
そうすると、電動式のパワステ機能も作動しなくなり、低速時でもハンドルが重くなってしまいます。

故障表示が出たり、ハンドリングが重くなったらすぐに見てもらいましょう

車速センサーはタイヤやヘッドライトなどと違って外見で壊れているかどうかを判断することはできません。
ただし、最近の車は車速センサーが故障するとスピードメーターに警告ランプが点灯するようになっています。

他にも怪しいサインとして例えばベンツ車などにおいては速度を出していないのにも関わらずスピードメーターがマックスまで振り切れる、停車しているのにカーナビでは車が動いているように表示されるといった現象が見られます。

ハンドリングが重くなるなどの明らかな症状が出てからでは重大な事故につながります。
エンジンをかけたとき、あるいは走行中にちょっとでも違和感があったら、早めに整備士さんに相談しましょう。

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