コーナリングや安定性にとって大切なサスペンション。
ネットで少し調べれば自分で交換出来る方法がこれでもかと紹介されていますが、果たして本当に個人で行って良いものなのでしょうか?
今回はサスペンションそのもののおさらいからその重要性の再確認、並びにプロに任せるべき理由について解説。
快適で安全なドライブの為にも是非読んでみてください。
サスペンションはそもそもどんな種類があるの?
車の操縦性や乗り心地に大きく関わるサスペンションですが、実際にどんなパーツなのか、またどんな種類があるのかは自分で交換したことがないとよく分からないということがほとんどです。ただ車検などでサスペンションの交換が必要になることもありますので、どういった機能を持っているのか、また自分で交換が可能なのか詳しくご紹介します。
ストラット式
多くの車種で使われている独立懸架式構造のサスペンションです。
ストラットとはサスペンションの中心にある柱で、その外側にスプリングがかぶせられています。
アームとストラットの下部分、上部分はタイヤハウスにそれぞれつながります。
開発者の名前にちなみ、マクファーソン・ストラットと呼ばれることも。
ダブルウィッシュボーン式
ストラット式と同じく、独立懸架式サスペンション。
アッパーとロワ、それぞれのA型アームでタイヤを支えます。
タイヤの傾きが少なく、安定性があります。
レーシングカーで用いられてきた経緯があり、高性能サスペンションが必要なスポーツカーなどで使用します。
また上下のアームが長く、場所を取るため、大型セダンなどでも用いられます。
マルチリンク式
ダブルウィッシュボーン式を変形し、4本以上の自在なアームで構成されたサスペンションがマルチリンク式です。
三次元方向の動きが可能で、タイヤの接地性や操縦性もダブルウィッシュボーン式を上回ります。
1983年にメルセデス・ベンツが開発。構造が複雑かつ高性能なためスポーツカーや高級車で使われています。
トーションビーム式
シンプルで軽量なサスペンションで、低コストが特徴です。
FFコンパクトカーや商用車で用いられます。
車輪の左右をトーションビーム(アクスルビーム)でつなぎ、それぞれの端からトレーリングアームで車体につながっています。
エアサスペンション
空気バネを使い、振動や衝撃を和らげるのがエアサスペンションです。
エアサスと略されます。
空気圧を調整することで、車高をキープできます。
乗り心地がいいというメリットもあります。
ただ、複雑な構造で取り付けが難しく、定期的なメンテナンスも必要です。
サスペンションを構成するパーツについてのおさらい
スムーズで快適なドライブの為に欠かせない働きをするサスペンションですが、主に三つのパーツで構成されています。車の種類によって形状が異なることはあれども、構成そのものが変化することはありません。部品ごとにどういった働きをしているのか詳しく見ていきましょう。
○スプリング(ばねの働き)
スプリングは車を支える役目と共に、車の上下運動による衝撃を吸収する働きをしています。
ただスプリングによるばねには伸び縮みを繰り返す振動特性があるため、ばね単体だと車が常に揺れた状態になってしまいます。
このばねの運動を抑えるために、次にご紹介するダンパーが必要となります。
○ショックアブソーバー(ダンパー)
サスペンションのばねが繰り返す伸び縮みの運動を制御する働きをしているのが、ダンパーです。
車の振動を調整することから、ショックアブソーバーとも呼ばれています。
金属製の筒でできており、中に充填されたオイルの中に、ちょうど注射器の液体を入れる部分と同じように穴の開いたピストンが通り、その抵抗によってスプリングの運動を抑えます。
この力のことを減衰力と呼びます。スプリングの力を制御することで、車体の姿勢が変化した時に大きく傾くことを抑え、コーナーリング性能を高めます。
またスプリングの揺れを常にコントロールするため、ダンパーは乗り心地にも大きな影響を与えます。
さらにダンパーはその構造により2種類に分けられます。
<複筒式>
筒が二重になっており、内側にオイル、外側にガスがそれぞれ充填されているダンパーです。
多くの車で採用されており、表面にダメージを受けても動作が継続できるメリットがあります。ただ二重となっているため、放熱性が悪いのがデメリットです。
内部のオイルに気泡が発生しやすく劣化してしまう構造となっています。
<単筒式>
1本のシリンダーで動くダンパーで、オイル室とガス室が直列に配置されています。高圧ガスでオイルが加圧されていることから、気泡が発生しにくく安定したストロークが得られます。そのためモータースポーツの車で多く採用されています。部品の精度が高く、部品自体のコストが高めになってしまうこと、外部からの衝撃でケースにダメージを受けると交換するしか方法がないのがデメリットです。
<電子制御による新しいダンパー>
先の2つのダンパーからより進化した電子制御のダンパーも開発されています。まだ上級車などに採用されているだけですが、減衰力をドライバーが手元で操作できるのが大きな特徴となっています。マグネティックライドコントロールという磁気による減衰力調整のシステムが採用されていて、路面の状況や運転の状況に合わせた乗り心地やハンドリング、加速時や停車時の車の安定性向上に関わっています。
○サスペンションアーム
車輪の動きをコントロールするために設置されるのがサスペンションアームです。単にアームと呼ぶこともあります。通常は進行方向に左右1本ずつ、また数本設置されることもあります。タイヤの位置をきめて、タイヤやサスペンションが上下の運動をする際の支えとなります。固定部分を軸にして円運動をし、タイヤを動かす役割を果たします。
サスペンション交換について
サスペンションは消耗品であり、定期的に交換しなくてはなりません。また車高を低くして安定性を高めたり、逆に上げることで視認性を高める為にサスペンションの交換をするという人もいます。
サスペンションを交換することによる基本的なメリットとしては以下の3つが挙げられます。
1.操作性を向上させる
通常車のサスペンションは、町で走るための標準装備のものとなっています。ただ走りにこだわりたい人には性能が物足りないということも少なくありません。そこでサスペンションを交換することで操作性が向上し、車体が安定することでより車の性能が引き出されます。
2.乗り心地の向上
サスペンションを交換することで、スプリングの減衰力がアップするため、乗り心地がよくなります。また振動や騒音が抑えられるため快適な走りが得られます。
3.車高を変えることができる
車高を高くしたり低くすることが可能になります。見た目で車高を変えたいという場合もありますし、オフロードなどを走る場合に車高をカスタマイズして対応することも可能となります。
さらに消耗品であるサスペンションは以下のタイミングでの交換も必要です。
ショックアブソーバーは定期的に交換が必要
ショックアブソーバーのオイルは経年劣化を起こすため定期的に交換が必要です。メーカーによっては車検のたびに交換することもあります。
〇購入から10年経過した場合
振動や異常音などが発生し始めることも多く、この場合はサスペンションを丸ごと交換することが必要です。
〇走行距離が5万キロを超えた時
オイルの劣化も含め、サスペンションの点検が必要です。必要があれば交換が必要です。
サスペンションを放置するのは危険!
乗り心地や操作性を保つために必要なサスペンション。
当然ながら長く使ううちに劣化してしまいます。
ただ、急に劣化が進むわけではなく、少しずつ少しずつ負担がかかって傷んでいきます。
そのためサスペンションが劣化することに気づくのは難しいのです。
サスペンションが劣化すると、路面のでこぼこやボディのゆれなどを吸収しづらくなり、乗り心地に影響します。
何となく乗り心地が悪くなった、振動や異音がする場合は注意が必要です。
同様に車の操作性、例えばハンドルが動いてまっすぐ走りづらい、タイヤが偏って摩耗する、バンパーや下回りをぶつけてしまうなどのトラブルもサスペンションの劣化が影響している可能性があります。
劣化が進行すると操作ミスをはじめトラブルが起こりやすくなり、場合によっては大きな事故につながるリスクも考えられます。
交換時期が近づいてきた、何となく乗り心地に違和感がある等の場合は、専門店での点検をおすすめします。
耐用年数の目安
サスペンションはどのくらいで交換時期を迎えるのでしょうか。
次の2点が当てはまる場合は、耐用年数がきていると見なします。
- 新車として登録してから10年以上
- 走行距離8万~10万kmを超え
交換費用の相場
サスペンションの交換にかかるコストは、約10万~20万円を見ておくと安心です。
自分でサスペンション交換はしても大丈夫?
サスペンションの交換を自分で部品を購入して交換することは不可能ではありません。実際にネットなどで詳しく説明が載っているサイトなどを参考にして、交換している人もいます。ただ、サスペンションは車にとって重要な部品。自分で交換ができたと思っていても、いざ走行してみると乗り心地が悪かったり、最悪の場合は部品が破損・外れるといったことも起きる可能性があります。細かな調整も含め、プロの整備士にお願いする方が安全です。
サスペンションの取り付けならgaragentへ
garagentは外車や国産の高級車の整備を多く手がけています。豊富な経験、専門知識のあるスタッフと相談しながら持ち込みパーツや、代替品であるOEM部品の取り付けを行わせていただきます。東京都・町田市、多摩市、稲城市、神奈川県横浜青葉区、川崎市麻生区にある駅までは、無料での送迎サービスもございます。
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