こんばんは
メカニックの伊藤です
今回は、以前にも何回かご紹介しているトルコン太郎でのATF(オートマチックトランスミッションフルード)の圧送交換を改めてご紹介します。
まず初めにATFとは、名前の通りオートマの中に入っているオイルのことです。
エンジンオイルやデフオイル、ブレーキフルードなどと同じような感じで思っていただいて大丈夫です。
つまりは機構の中を回ることによって動力の伝達、部品の潤滑をしており、ATFに関していえばさらに シフトの制御、トランスミッションの冷却、トランスミッションの洗浄など、非常に重要な役割を果たしているオイルです。
この段階でまず 物申したいことがあります。
エンジンオイルやブレーキフルードはみなさん当たり前のように定期交換してますよね。
長期間交換しなかった時の故障のリスクや性能の悪化をご存知だからだと思います。
ではなぜATFは定期交換しないのか、、、?
多分それは「良く知らない」からだと思います。
今日知っていただければ幸いです。
ATFも他のオイル同様定期交換必須です!!
ここで1番の悪役がいます。
自動車メーカーです。
何を思ったのか最近「ATF(またはCVTF)は無交換推奨」としきりに言っています、、、。
制御、冷却、洗浄の役割を担っているオイルが無交換で良いはずないんです。
洗浄の役割がある時点で鉄粉が出ます。エンジンがかかっている間はずっと循環しているので劣化もします。オイルの劣化や鉄粉を放置するとオイルラインが詰まり、冷却不足やオイル漏れ、最悪の場合トランスミッション本体の故障につながります。
ではなぜ無交換を推奨するのか
簡単です。トランスミッションを壊してしまうリスクを回避したいから。またその責任を追求されたくないから。
これって日本独自の考えだと思うんですよね。責任逃れみたいな。
確かに「新車からATF無交換の走行10万キロ超えた車」や「5年間放置されていた車」などの過酷な状況に置かれていた車のATFを交換すると逆にトランスミッションが壊れてしまうリスクはあります。
だから下手に「交換した方がいいですよ」と言っていざ交換したせいでATが壊れてしまう責任を回避したいようにしか見えないんです。
ここで是非知って欲しいのがATF圧送交換用のマシン、トルコン太郎 です。
こちらの機械は、車に対して負担の少ない 圧送方式 での交換が可能となります。
基本的にディーラーが行うATF交換というのは国産車、輸入車問わず手動です。(圧送ではなく、エンジンオイル交換と同じように抜いて入れる交換方法)
圧送とはつまり新しく入ってくるオイルが古いオイルを押し出して破棄する。というイメージです。
これのメリットとして、「入れながら抜くのでオイルが減っている状況になることがない」「オイル入れ替え時に異物混入の可能性が低い」そして「車がATFを循環するための力を利用してオイル交換ができるので車への負担が格段に少ない」
などがあります。特に3つ目のメリットが一番大きいです。
車への負担が格段に少ないということは、ATF交換によってトランスミッションが壊れてしまう確率も格段に低いということです。
基本的にこの圧送交換は、ATFが流れる道にトルコン太郎を割り込ませる方法です。
ATFの用途を説明した際も言いましたが、役割のひとつに「冷却」があります。つまりATを冷却するためにはその中や周りを循環するオイル自体も温度を下げなければなりません。(ここの動きは冷却水と似ています)
そのために車はオイルクーラーというものがついており、そこを通ってATに帰ってくる。という順路になっています。
その順路の途中にトルコン太郎を割り込ませるということです。AT→トルコン太郎→オイルクーラー→AT
めちゃくちゃ簡単にいうと、「いつも通る道からちょっと寄り道(トルコン太郎)するとオイルが新しくなって帰ってくる」というわけです。
そりゃあ車への負担が少ないわけです。車の動きとしては普段と何も変わらないので。
トルコン太郎には3つの道があります。
写真左から、新油用の道。循環して車へ戻る道。廃油用の道。
この全ての道にフィルターが設置されています。
なので新油を入れる時も、廃油を捨てる時も、循環だけしている時も、どのタイミングでもフィルターを通り鉄粉を除去しています。
これがATF圧送交換を強くオススメする理由です。
実際に見てもらいたいのがこちらです。この写真はトルコン太郎をつないで1回目の交換時の廃油の写真です。
これの何が恐ろしいか。これ元々の色は綺麗な赤色なんです。
劣化と鉄粉によってこんな凄まじい色になってしまっています。
こんなオイルがあの精密な機構のオートマチックトランスミッションの中を常に循環してしまっているわけです。
トルコン太郎での入れ替えを何回か行うことでだんだんと赤みを取り戻していきます。
これでもまだ汚れています。
この時点でオイルは10Lほど入れ替わっています。
輸入車のスポーティな車種でも10L変われば一旦全量は変わっています。
それでもまだ完璧には綺麗にならないんです。
この例の車両はメルセデスベンツのGクラス(ゲレンデ)です。最終25L交換で新油とほぼ変わらないレベルまで綺麗になりました。
(写真左が新油。右が現在車に流れているオイル。)
ではこのATF圧送交換をすることによって具体的に何が変わるのか。いくつか例をあげます。
・燃費が良くなる
(オイルの劣化によりATのレスポンスは悪くなっています。それによりスムーズに加速しなくなるのでついアクセルを多く踏んでしまい、結果燃費が悪くなります。)
・速くなる
(正確には劣化によって悪くなっていたレスポンスが新車当時の動きに戻り、体感的に車が速くなったように感じます。)
・変速ショックがなくなる
(オイルが劣化し粘度が落ちると、本来吸収できるはずの変速ショックがモロに車内に伝わってしまいます。圧送交換後はいつ変速しているのかわからないほどスムーズな変速になります。)
・AT故障の可能性が低くなる
(正直トランスミッション故障の原因の多くはATFを長期間変えていないことです。長く大切に乗るなら3〜5年ごとに交換しましょう。)
この4つがメインの利点です。
ATF交換によって良くなることはたくさんありますが、上記4つに付随して感じられるものがほとんどだと思います。
じゃあ具体的にはどのくらいの頻度で交換すればいいの?となりますよね
乗り方や頻度にもよってきますが、おおよそ
3〜5年に1回 or 20000〜30000kmに1回
がいいかなと思います。
お客様それぞれの乗り方によって一番良いものをご提案させていただきます。
実際、新車から5年経っている車、走行距離が60000kmを超えた車はほぼほぼATFが原因で本来のパフォーマンスを発揮できていません。
どっかの国の頭の良い人がやった実験で 人間は少しずつ変化していくものに気付きにくい という結果が出ているように、徐々に劣化していく愛車のパフォーマンスにはなかなか気付けないものです。
ましてや僕ら車屋のように違う個体の同じ車種を何台も乗ったりしないので他との違いも実感できないんですよね。
散々言ってきましたがやはりオーナー様としてネックなのは交換にかかる費用だと思います。
正直、僕から見ても決して安いものではないです。
車種や使うオイルの量、種類によって前後しますが安くても8万円、高いと15万円ほどかかってしまいます。
しかしトランスミッション本体が故障したらどうでしょう。軽く50〜100万(高級車ならさらに高額)くらい吹っ飛びます。
愛車を長く大切に、程度よく乗られていくのならば一度リフレッシュの意味も込めてATF交換することを強くオススメします。
ちなみに僕の愛車、ベンツEクラス(W212)もトルコン太郎を導入してすぐに20Lの圧送交換をさせてもらいました。
比べ物にならないくらい良い車になりました。
外装、内装だけじゃなく走りの面でも性能は維持していきたいですね。
少しでも気になった方、是非お気軽にお問い合わせください!!
いつでもお待ちしております!!
株式会社GARAGENT(ガレージェント)
東京都町田市金井2-28-13
042-735-8790
info@garagent.net
担当:伊藤
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。