高価格で希少である高級車は、車好きな人であれば一度は乗ってみたいと憧れる車ではないでしょうか。ただ、車自体がほとんど流通していなかった時代から比べると、高級車という定義は複雑化しています。そこで今記事では高級車の定義と、一般車と高級車はどのような違いがあるのかについて詳しくご紹介します。
高級車の定義
高級車の定義の一つに、価格があります。ただ、特殊車両など製造される台数が少なかったり使用する場が限られている車は億の価格がつきますし、軍用の車両はさらに高額です。さらにメーカーによっても高級車の定義が異なるため、高級車の明確な定義というものは存在しません。ただ、国産車に限定すれば、日本自動車査定協会が定める等級で比較することが可能です。最も高い等級から「特C、特B、特A、I、II、III、IV、軽」と分類されています。
高級車の歴史
車が登場した19世紀は、車自体が希少でした。そのため一部の上流階級だけが購入できるものであり、当時は車自体が高級車であったといえます。その後20世紀に入り、乗用車が一般大衆にも普及したことにより、大衆車と相対する形で高級車が製造されるようになります。そこで、国によっても違う高級車が作られるようになった歴史を詳しく見ていきましょう。
欧米での高級車
ゼネラルモーターズのアルフレッド・スローンは、自動車産業界の歴史を3つの時代に分けることで、経営方針の指針としました。それによると、最初は自動車が希少価値であった1908年までは高価な車だけが存在していた高級市場、次に1920年までの大衆車の時代、そして低価格車から最高級車まで消費者の需要にあった車が求められる時代が来ていると定義されています。アメリカは経済的、金銭的に成功する人が賞賛される新興国であったため、成功をアピールするアイテムとして大衆車から高級車まで広いラインナップが求められるようになっていったのです。
日本での高級車
第二次世界大戦の敗戦後、日本はすべてが1からのスタートとなりました。そのためかつてあった階級(クラス)がなくなり、ゼネラルモーターズの経営戦略のように、大衆車から高級車までステップアップしていく形がメーカーに取り入れられ定着していったのです。基本となるスタンダードな車があり、相対する形として高級車が製造されるようになります。ただしこれはあくまでも大衆車に付加価値を付けたものであり、これとは別に上流階級向けだけに製造されたハイクラスのための高級車も製造されていました。
高級車と普通車の違い
高級車の定義はメーカーや国によって違いがありますが、普通車とは違う魅力を持っており、時代は変わっても人々の心を惹きつける存在です。そこで高級車は普通車とどのような違いがあるのか、ここでは3つの始点からその違いについて詳しくご紹介します。
費用
高級車は購入の費用だけでなく、維持費も高額になる傾向にあります。例えば自動車税は車の排気量によって段階的に高くなりますが、高級車は排気量が大きいため普通車より税金がかかります。また使われている部品や内装の素材なども高級品であったりオーダーメイドであるため、洗車や手入れにお金がかかります。また修理費用が高く盗難に遭うことも多いことから、保険料も普通車に比べると高くなる傾向にあります。そのため、車検や法定点検にかかる費用も大きくなるといえます。
乗り心地
高級車は乗り心地の良さが普通車と格段に違います。その理由として、まず排気量が大きいことからエンジンの性能が高く、高回転する必要がないため静音性が高いことが挙げられます。さらに車の走行を司るステアリング性能が高いため、運転が常に安定しています。高級車ではステアリングに本革を採用し、操作性も高いのが特徴です。運転のしやすさはもとより、加速などの反応が早く運転する楽しみが味わえることも高級車ならではの魅力といえます。
性能
高級車はエンジンの性能が高く、アクセルやブレーキの反応が高いことも普通車と違います。メーカーの最先端の技術が採用されていることが多いため、余分な力を入れなくても車がすぐに反応してくれます。さらに高級車は普通車よりボディの剛性の高さも大きく違います。剛性は外部からの力に対する強度の度合いのことで、高いほど安全性が高いといえます。そのため、高級車は要人が乗る車としても多く採用されているのです。
主な高級車ブランド
ここでは世界的に有名な高級車ブランドをメーカーごとにご紹介します。それに加え、なぜこれらのメーカーの車は「高級車」として認知され人気を集めているのか、その理由についても詳しくご紹介します。
メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツは、ドイツを代表する高級車メーカーです。ドイツのダイムラーが所有するブランドであり、世界最古の自動車会社であるベンツ&シー・ライニッシェ・ガスモトーレン・ファブリークとダイムラー・モトーレン・ゲゼルシャフトが1926年に合併して誕生しました。高級車としての価格はもちろん、デザイン性の高さや最新の安全技術から高級車として不動の地位を築いています。
BMW
ドイツ車御三家の一つであるBMWは日本で人気のメーカーです。元々BMWはエンジンメーカーでしたが、現在では自動車や自動二輪車の製造も行っています。BMWの魅力として、機能性や操作性の高さはもちろん、ハンドリングの良さが高く評価されていることが挙げられます。高級車のラインナップが幅広く、故障が少ないことも人気を後押ししています。
ロールス・ロイス
イギリスで1906年に設立されたロールス・ロイスは、倒産や国有化を経て、2003年からはBMWがブランドを引き継ぎ製造販売を行っています。なんといってもロールス・ロイスは他の高級車よりも高額な価格設定であり、その価格は他の追随を許さない静粛性、上質なパーツ、ほとんどの作業が手作業で行われるこだわりによるもの。その完璧さが高級車ロールス・ロイスを象徴しているといえます。
レクサス
高級車というと輸入車のイメージを持つ方も多いかもしれません。その中で、ドイツ車のライバルとしてその存在感を不動のものとしているのが、レクサスです。元々海外向けの高級車ブランドとして誕生したレクサスは、今やトヨタのプレミアムブランドとして世界に名を知られています。他ブランドよりもはるかに多い工程、ブランドを守るための値引きの禁止、オーナーへの手厚いサービスなど「レクサスオーナー」が特別とされていることも高級車イメージを後押しし、「所有する喜び」と「運転する喜び」が味わえる高級車となっています。
まとめ
高級車は価格の高さや維持費の高さなど、どうしても費用面に目が行きがちですが、高級車ならではのデザイン性や乗り心地の良さなど大衆車とは違う魅力を秘めています。高い価格が設定されているのは、メーカーの自信の表れでもあり、不具合や故障の少なさ、安全性の高さはやはり高級車に軍配が上がります。長く乗り続けることも考え、高級車を購入の選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか。
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